不登校の子は、自宅にパソコンがあると、つい熱中しがちな傾向があります。
その理由としては、不登校の子が持つ性格の傾向や、クラスの中で置かれてきた状況と関連性があります。
ここでは、その4つの理由について解説します。
目次
現実から目を逸らし続けることのできる、2つの理由
(1)現実世界に比べて成功体験しやすいから
ゲームで場面をクリアしたり、欲しい情報を手に入れたり、そして動画サイトで配信されているアニメの世界に浸ったり…と、パソコンに向かっていると、この複雑な現実世界に比べて、自分の欲求を容易く満たすことが可能になります。
普段の学校生活では、絶望的な毎日を過ごしても、パソコンの中の世界では、誰に対しても成功体験のチャンスを与えてくれるからです。
(2)現実と違う自分になれるから
チャットや電子掲示板、そしてSNSも使いようによっては、現実の自分の姿を晒すことなく、相手とコミュニケーションを取ることができます。
それゆえ、自然体の自分を晒すことができるばかりでなく、現実とは違う自分を作り出すことも可能となります。
それは、学校では見せることのない、攻撃的な自分を生み出すことさえあります。
不登校の子の持つ特性との親和性による、2つの理由
(3)内向的性格と親和性があるから
不登校の子たちは、内向的な性格が多い傾向にあります。
内向的な性格は、1つのことをコツコツ行うことが得意と言われています。
パソコンでできることとして、プログラミングを行ったり、描画ソフトを使ってイラストを作成したり、また動画編集ソフトを使って動画を編集したりすることは、内向的な性格との親和性が高いかもしれません。
(4)外出せずに物事が完結するから
あらゆるコミュニケーションやエンターテインメント、そしてショッピングにおいて、パソコンと必要な周辺機器さえあれば、外出することなく全てが完結します。
特に自室にパソコンがあると、食事やトイレ、お風呂、そして歯磨き以外は、部屋の外にすら出る必要さえなくなります。
学校にいるときの煩わしさから解放され、自室の中で快適な毎日を過ごすことができてしまうのです。
まとめ
不登校の子がパソコンに熱中しがちな理由として、以下の4つが挙げられます。
(1)現実世界に比べて成功体験しやすいから
(2)現実と違う自分になれるから
(3)内向的性格と親和性があるから
(4)外出せずに物事が完結するから
以上の理由から、不登校のお子さんをお持ちの親御さんは、将来を見据えながらも、お子さんがパソコンに依存しすぎていないかどうか、目を配っていく必要があるでしょう。