「不登校」といえば、学校での生活や友人関係に問題を抱えるなど、さまざまな理由で登校できなくなる状態を言いますが、一般的にはネガティブなイメージを持たれます。
小学校や中学校へ行くのが当たり前と思っている大人も多く、そのため、病気でも無いのに学校へ行かないのは良くない、と短絡的に思う人も多いのではないでしょうか。
確かに、子供が成長して、さまざまな世界に社会人として生活する上での基盤となる知識や経験を学ぶためにも、小学校や中学校へ通えない不登校は問題がありそうです。
不登校となった児童や生徒、あるいは両親や家族にとって考えられる問題点について考察してみます。
不登校の児童や生徒にとって考えられる問題点は?
学校へ行けなくなる不登校という状態には、それぞれの児童や生徒によって理由や原因はさまざまで、子供によっては、精神的なストレスから身体に病的な症状を示す子供もいたり、医療機関での治療を必要とする場合もあります。
学校へ通えないという不登校の状態だけでも、本人が感じている後ろめたさや、周囲の冷ややかな態度などで傷つくことも多く、それだけでもストレスを感じる問題点です。
その上、不登校の状態は、学校での授業を受けられずに勉強の遅れを生じ、その後の進路選択に影響を及ぼす問題となり、学生時代にしかできない学校での友達との出会いや交流の機会を得られないといった問題が生じます。
また、不登校の期間が長くなると、周囲の同年代の人ができている学校に行くことすらできないという自己否定が強くなり、周囲の目が怖くなり、外出すらできなる問題にもなります。
それに、不登校となった児童や生徒には、同級生や周囲の大人からは「不登校」というレッテルを貼られ問題視され、当事者にとっては克服するうえでの最大の問題点ともなります。
不登校の児童や生徒の親が抱える問題点は?
不登校の児童や生徒にとっては、学校に行かないという選択にはさまざまな理由や原因があったとしても、その解決に時間がかかれば、前述したように副次的な問題点が生じます。
そんな子供を抱える親も、不登校となった子供をどうにか救おうとするために仕事をしながらも、苦悩の日々を送ることになります。
そのため、日中の仕事をしながらも、朝や夕方、夜といった時間、あるいは仕事を休んで子供の対応に割く時間も増え、仕事をするうえでも多くの問題点となります。
不登校となった子供に向けられる周囲や世間の冷たい視線を浴びることは、親にとっても展望が持てず、親が解決できない問題として抱える最大の問題点と言え、親が代わりに解決できないもどかしさと苛立ちが精神的な辛さとなります。
不登校の児童や生徒、親が抱える問題点
不登校の児童や生徒には、当事者として感じる後ろめたさや、周囲の人たちからの無神経な言葉や態度によるストレスなども加わり、精神的な問題点を抱え、学業での遅れによる将来の進路選択、友人関係を得る機会の損失による人とのコミュニケーション能力ができないなど、多くの問題を抱えます。
一方、不登校の子供を抱える親や家族も、世間からの冷たい目を感じながら、答えのない解決策を模索する日々が続くため、当事者の子供と同様に精神的、肉体的な問題点を抱えます。
不登校という状態は、学校に通えない本人だけではなく、周囲に関係するさまざまな人たちが多くの問題を抱えることになります。