「このままではいけない」と感じて、不登校をやめたいと思った子供たちは、決して少なくはありません。
しかし、大きな壁に阻まれて、結局は不登校を続けざるを得ない状況に陥っている場合も多くあります。
ここでは2つの、その大きな壁について、説明します。
大きな壁その1「人間関係」
不登校をやめたい子供に立ちはだかる、大きな壁の1つとして、人間関係が挙げられます。
学校へ通う年代は、周りが自分をどう見ているかを、普段から気にしがちなものです。
不登校の子供たちにおいては、繊細な面を持っている傾向の子や人見知りの子が多いため、それが顕著となります。
特にいじめが原因による不登校では、クラスメートからの陰口や直接的な悪口、さらには嫌がらせが再び始まるのではないか、という不安を抱きます。
いじめあるいは、いじめがなくても人見知りがエスカレートすると、対人恐怖症にもなる恐れもあります。
真面目な子供ほど「学校は行かなければならないから、不登校はやめたい」という認識と、人間関係の不安や恐怖とのジレンマに苦しみやすく、思い詰めると自傷行為や自殺の危険性さえ高まります。
大きな壁その2「勉強の遅れを取り戻せるか」
立ちはだかるもう1つの大きな壁として、不登校の間、滞っていた勉強の遅れを取り戻すことができるかどうかという点です。
「勉強をしなければ」と思い、初めのうちは教科書やノートを開いてみても、自力でどう覚えたらよいのか、子供たちにとっては分からないことでしょう。
そうなると、どんなに勉強しようとしても、なかなか身には入らないでしょう。
人間、容易い方向に身を任せてしまう生き物ですので、身に入らないと思うと勉強など投げ出してしまいます。
そして不登校の間、自宅にこもりっきりだと、ついつい自分の好きなことを楽しみたくなり、現実から目を逸らしがちになります。
不登校の期間が長ければ長いほど、勉強の遅れを取り戻すのは非常に困難となります。
不登校をやめたいと思い、いざ学校へ登校しても、勉強についていけなければ、挫折して再び不登校になってしまうケースも起こりえます。
まとめ
不登校をやめたい子供に立ちはだかる、2つの壁として、まず1つ目は人間関係、2つ目は勉強の遅れです。
もしも不登校のお子さんをお持ちの親御さんで、お子さんが不登校をやめたいと言った場合、今まで通っていた学校に戻る以外にも、フリースクールや離島留学といった選択肢も考慮に入れてよいかもしれません。
そこで新たな人間関係のもとで勉強し直すことも、お子さんの心身の健康と健全な成長のために、むしろプラスに働くことでしょう。