クラスである子が不登校となったとき、クラスの子たちが「学校戻ってきて」などとメッセージを送ってくることがあります。
けれども、不登校の子にこのようなメッセージを送ることは、かえって逆効果となることがあります。
ここでは、その理由について解説していきます。
たとえ善意でも不登校の子にとっては困惑
不登校の子に登校を促すために、クラスなどで生徒がメッセージを送ることがあります。
カードや短冊状の紙、そして色紙などに「早く戻ってきて」「学校に来てね」「待ってるよ」などと、クラスの一人ひとりがメッセージを書き記したものを封筒に入れて、郵送、あるいは直接、不登校の子の親御さんに届けたという話は、よく聞かれます。
クラスにいる子たちは、善意で送ったものではありますが、不登校の子本人やその親御さんにとって、これらのメッセージを受け取っても、実は困惑するばかりなのです。
善意で送られたものだけに、受け取った側は葛藤を深め、むしろストレスを与えるばかりか、ときには心を傷つけてしまうことさえあるのです。
次に、その理由について解説します。
メッセージを受け取っても、葛藤を深めむしろストレスを与える
クラス全体では、善意のつもりで不登校の子に送ったメッセージですが、それが不登校の子にとっては、かえって逆効果となります。
担任の教師やクラスの子たちが、不登校の子に対して、それらのメッセージを送ったとしても、メッセージを受け取った本人は「分かってはいるけれども、学校に行くことができない」「学校のことなど考えたくもない」という状況にあります。
そのような状況下において、心ない言葉はもちろんのことですが、仮に優しい言葉をかけられたとしても、不登校の子自身が困惑し、葛藤を深めてしまいます。
不登校の状態にある子は、1日や2日ですぐに登校できるような状況ではありません。
そのような状況下で、登校を促すメッセージを受け取っても、不登校の子自身は、それを「学校に行くのが当然でしょ?」「何で学校行こうとしないの?」といったメッセージと捉えてしまいます。
不登校の子は、そのことを非常に息苦しく思うとともに葛藤を深め、逆にストレスとなってしまうのです。
まとめ
不登校の子にクラスからメッセージを送らない方がいい理由として、以下の点が挙げられます。
・学校のことなど考えられず、1日や2日ですぐに登校できる状況ではないから
・そのような状況下でメッセージを受け取っても困惑するだけだから
・みんなが「学校は行って当然」と言っているようで、息苦しさや葛藤、そしてストレスを余計に感じてしまうから
不登校の子に対しては、たとえ善意であってもそのようなメッセージは送らずに、そっとしておいてあげることが、一番大切なことなのです。