不登校の将来とは?文部科学省の追跡調査からみえてくるもの

不登校が長期にわたる場合には、その先の将来についての見通しが立たないため、本人も家族も不安になってしまうものです。

文部科学省では、平成13年と23年に、中学在学時に不登校であった人にアンケートやインタビューを行い、20歳現在の就業や就学の状況などをまとめています。

不登校経験者の進学や就職の状況と、調査から見える不登校の生徒の将来像についてまとめました。

スポンサーリンク
futoko-infoレクタングル大

過去に不登校を経験した人が20歳になった時の就学の状況

不登校経験者の将来のうち、進学して20歳現在も就学している人の状況は次のようになります。

就学している人の割合は?

平成23年の調査では、不登校経験者の20歳現在の就学率は、就業しながら学んでいる人を含めると全体の47%以上になります。

進学先は、大学・短大・高専22,8%、高等学校9,0%、専門学校・各種学校等14,9%となっています。

大学や専門校などへ進学する人がいる一方で、20歳現在でも高校に在学している人がいることが分かります。

高校進学は?

不登校生徒の高校進学率は、平成23年の調査で85,1%、一度は進学しても中途退学してしまう人が14,0%となっています。

平成13年度の調査では、高校進学率は65,3%、中途退学者は37,9%になっており、10年で高校進学率は増加し、中途退学は半分以下になりました。

通信制高校などの進学先の多様化や不登校や中途退学への対策により、不登校であっても進学しやすい状況になってきたことが分かります。

過去に不登校を経験した人が20歳になった時の就業の状況

不登校経験者の将来のうち、20歳現在で就業している人の割合と、就業の傾向は次のようになります。

就業の割合

平成23年の調査では、不登校経験者のうち就業している人が34,5%、学びながら働いている人も含めると、約半数が何らかの形で働いていることになります。

一方で、就業も就学もしていない人の割合は18,1%で、これは平成13年度の調査に比べて5%近く減少していますが、依然多い数字です。

このことから、不登校が長期化した場合には、将来的にひきこもりやニートといった状況になりやすいことが分かります。

就業の傾向

就業している人の雇用の形態は、正社員は1割以下にとどまる一方で、パートやアルバイトが3割以上を占める結果になっています。

アルバイトなどの不安定な形での就業が多いことから、不登校だった場合には、正社員での就職が困難な現状が伺えます。

文部科学省の追跡調査から分かる不登校の将来像のまとめ

就学している人の状況

・就学率は、就業しながら学んでいる人を含めると全体の47%以上になり、大学・短大・高専22,8%、高等学校9,0%、専門学校・各種学校等14,9%の割合。

・不登校生徒の高校進学率は、平成23年の調査で85,1%、そのうち中途退学する人が14,0%となっており、高校進学率は思いのほか高い。

・平成13年度の調査に比べて、高校進学率は大幅に増加していて、不登校であっても進学や就学が続けやすい状況になってきたことが分かる。

就業の割合と傾向

・不登校経験者のうち就業している人が34,5%、学びながら働いている人も含めると、約半数が何らかの形で働いている。

・就業も就学もしていない人の割合は18,1%で、不登校が長期化した場合には、将来的にひきこもりやニートといった状況になりやすいことが分かる。

・雇用の形態は、正社員は1割以下にとどまる一方で、パートやアルバイトが3割以上を占めている。

・アルバイトなどの不安定な形での就業が多いことから、不登校だった場合には、正社員での就職が困難な現状が分かる。

スポンサーリンク
futoko-infoレクタングル大
futoko-infoレクタングル大

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする