文部科学省は、高校生についても平成16年から不登校の調査を行い、不登校生徒の支援や退学者を出さない取り組みを始めています。
それらの調査をもとに、高校生の不登校生徒の割合や学年・学校別の傾向、不登校から中途退学や留年に至る生徒の割合などについてまとめました。
具体的な数字のデータについては、文部科学省の「平成25年度 児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」から抜粋しています。
目次
高校生のうち不登校生徒が全体に占める割合と学年・学校別傾向
全国の国公私立すべての高校生のうち、不登校の生徒が占める割合と学年別の傾向は以下の通りです。
全体に占める割合は?
平成25年度の文部科学省の調査によれば、高校生全体の生徒数が3,324,772人に対し、不登校の高校生は55,657人でした。
割合にすると、不登校の高校生は全体の1,67%で、約60人に1人が不登校だということになります。
1人でも不登校の生徒が在籍する高校は全体の80%以上を占めており、ほとんどの高校に不登校の生徒がいることになります。
学年別、学校別の傾向は?
学年別では、1年生が1,5%と最も多く、学年が上がるごとに減少する傾向にあります。
不登校の生徒の割合は、定時制高校が16.9%と多くなっており、全日制高校の10倍以上の数字になっています。
高校生の不登校生徒のうち、中退・留年・復帰の割合は?
では、不登校の高校生のうち、中退や留年をしてしまう割合はどのくらいで、学校に復帰できる生徒はどのくらいいるのでしょうか?
中退や留年の割合は?
全国の高校生の中途退学率は1,5~2,0%であるのに対し、不登校で中途退学した高校生は、不登校の生徒全体の29,6%にものぼります。
また、不登校が理由で留年した高校生は、不登校の生徒全体の8,6%を占めており、不登校が留年や高校中退の大きな原因になっていることが分かります。
学校に復帰する割合は?
不登校が前年度から続いている高校生の割合は、不登校の高校生全体の41,6%にのぼります。
不登校から学校へ復帰できた高校生は34,2%で、継続した登校には至らなくても、前向きな変化がみられたとされる生徒は12,3%の割合でいます。
不登校の解決に効果があった対策としては、教師と生徒との信頼関係を深めることや、家庭との連携があげられています。
不登校の高校生の割合と中退・留年・復帰する割合まとめ
全体に占める割合と学年別傾向
・平成25年度の不登校の高校生の割合は全体の1,67%で、約60人に1人が不登校になっている。
・1人でも不登校の生徒が在籍する高校は全体の80%以上を占めており、ほとんどの高校に不登校の生徒がいる。
・学年別では、1年生が1,5%と最も多く、学年が上がるごとに減少する傾向にある。
・不登校の生徒の割合は、定時制高校が16.9%と多くなっており、全日制高校の10倍以上の数字になっている。
中退・留年・復帰の割合は?
・全国の高校生の中途退学率は1,5~2,0%であるのに対し、不登校で中途退学した高校生は、不登校の生徒全体の29,6%にものぼる。
・不登校が理由で留年した高校生は、不登校の生徒全体の8,6%を占めており、不登校が留年や高校中退の大きな原因になっていることが分かる。
・不登校から学校へ復帰できた高校生は34,2%で、継続した登校には至らなくても前向きな変化がみられた生徒も12,3%の割合でいる。