不登校になりやすい子供の性格には、相反する要素が含まれていることがあります。
ここでは、その4つのアンチノミー(*注)について解説していきます。
(*注)二律背反、すなわち同じ前提の元にある、2つの命題が互いに矛盾しているさまを表します。
目次
自我とプライドに関わる性格、2つのアンチノミー
気が強すぎても弱すぎても不登校になりやすい
性格的に気が弱い子供が、クラスメートからのいじめなどの標的になりやすく、それらが原因で不登校になりやすいのは、周知の通りです。
しかし、逆に気が強い性格も、周囲との摩擦を引き起こしやすいために孤立した後、不登校となるケースがあります。
プライドが高すぎても低すぎても不登校になりやすい
育ちの良い家庭の元で生まれたり、両親から大切に育てられたりするなどで、特別な存在としてプライドが高く育ってしまった子供たちも、気が強い性格同様に、周囲との摩擦を起こしやすく孤立しがちになります。
孤立して学校に居場所を失い、その結果不登校になる恐れは十分にあります。
逆に、プライドが低い子供は、自己肯定感も低いため、あらゆる物事に不安を抱きやすい傾向にあります。
その不安が重圧となって情緒不安定になりやすく、その結果として不登校につながる恐れがあります。
心のベクトルに関わる性格もう2つのアンチノミー
自己中心すぎても周囲に気を配りすぎても不登校になりやすい
自己中心的な性格の子供も、わがままを押し通すことによって、周囲との対立や軋轢を起こすため、孤立やすくなります。
結局、家の中だとわがままが押し通せるので、不登校になりやすい傾向にあります。
一方、人間関係を円滑にしようとするために、周囲に気を配りすぎても、嫌なことでも何でもかんでも背負いこんでしまい、その限度を超えたときに、不登校という形で現れることもあります。
内向的でも外向的でも不登校にはなりうる
一般的に内向的で人見知りする性格が、対人恐怖の傾向を示して不登校になりやすいのですが、一見外向的な性格でも、不登校になることがあります。
人はそれぞれ、なかなか自分の思うようには動いてくれませんし、ときには反発してくることさえあります。
特に責任感が強く、完璧主義的なリーダータイプの場合、思い通りにいかないことによるストレスがうっ積して、やがて不登校につながることもあります。
まとめ
不登校になりやすい子供の性格として、以下の4つのアンチノミーの要素があります。
・気の強さ弱さ
・プライドの高い低い
・自己中心的か否か
・外向的か内向的か
どちらに針が振れても、神経質あるいは繊細な性格であったり、あまり器用に立ち回れなかったり、また、依存心が強い面があったりすることによって、不登校になる可能性は十分あると言ってもよいでしょう。