もしもお子さんが不登校になってしまったとき、無理矢理学校に行かせることが、逆効果となることがあります。
お子さんも、学校は行かなければならないところであるのは、十分分かっています。
けれども、お子さんの心の中で危険信号を発し、勇気を出して不登校を選択したのです。
ここでは、その勇気も必要な3つの理由について、説明します。
目次
冷却期間としての1つ目の理由
(1)行き詰まった学校生活に対する、冷却期間を必要としているから
当事者がいじめを受けていない場合でも、また自らがトラブルメーカーである場合でも、精神的に追い詰められて、学校に通うことが苦痛となることは多くあります。
真面目すぎたり、周囲に気を配りすぎて、生徒会活動や部活動などで多くのことを一人で抱えこんでしまった結果、精神的に追い詰められることがあります。
また本人がトラブルメーカーの場合、クラスメートや教師と摩擦を起こしてしまい、学校に居場所がなくなってしまうこともあります。
さらに、プライドが高い子や完璧主義の子の場合、些細なミスや忘れ物をしてしまっただけでも、「完璧な自分」を演じきれなくなってしまったことへの精神的ショックのために、学校へ行けなくなることがあります。
学校に行かなくなることへの周囲の目が気になってしまうところですが、一度学校から距離を置いて冷却期間を設けるために、自らの心が勇気を出して「休め」と叫びを発しているのです。
いじめの問題に起因する、2つの理由
(2)これ以上学校に行っても、心身に危険が及ぶから
学校は、社会に出るために必要な勉強や、集団生活を通して人間関係を学ぶ場所であります。
しかし、集団生活というものは、ときには残酷なもので、力のない者は支配を受け、異質の者は排除されることがあります。
それは無視という形や言葉によるものだけでなく、暴力による肉体的苦痛を伴うことさえもあります。
このような地獄から抜け出すためには「学校は行かなければならないところ」という固定観念に対して「不登校」を選択する勇気が必要なのです。
(3)不登校は「緊急避難」の側面も持ち合わせているから
特にいじめの問題に関しては、いくら学校や行政に訴えても、十分な対策を行わないばかりでなく、隠蔽しようとさえすることもあります。
このようにいじめを放置している状況下において、無理矢理学校に通わせるのは、いじめを受けている当事者を、無法地帯に放つのと同じことになります。
彼らにとって、不登校を選択することは、いじめを放置して改善の見込みのない状況の場合、危険を回避するための「緊急避難」の側面も持ち合わせています。
けれども、不登校を選択するのに、周囲の目や世間の常識が気になる以上、それは、大変勇気のいることなのです。
まとめ
不登校を選択する勇気も時に必要な理由として、以下の3つが挙げられます。
◯いじめが原因でない場合は、以下の通りです。
(1)行き詰まった学校生活に対する、冷却期間を必要としているから
◯いじめが原因の場合は、以下の2つが挙げられます。
(2)これ以上学校に行っても、心身に危険が及ぶから
(3)不登校は「緊急避難」の側面も持ち合わせているから
「不登校」という普通でないことを選択するには、世間の目や常識に対して勇気を振り絞る必要がありますが、上記で挙げた理由から、選択せざるをえない場合もあるのです。